めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
恕
子貢問ひて曰く、「一言(いちげん)にして以て終身之を行ふ可き者有りや」。子曰く、「其れ恕か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ」。[口語訳]子貢がたずねて言った、「ただひとことで、一生行ってゆくに値することばがありましょうか」と。子曰く、「それはまず恕(じょ)(すなわち思いやりの心)だろうな。(恕というのは)自分が(人から)されたくないことは、人にもしてはならない(ということだよ)」と。(『論語』・旺文社)「己の欲せざるところは、人に施すこと勿れ」とは論語の中に書かれている孔子の言葉。あまりにも有名で慣用句としても良く使われるのだが、「恕」という言葉についてはあまり知られていない。なぜなら日本語では使わない言葉だから。自分自身は最初に「恕」という漢字を見た瞬間に勝手に「怒」と勘違いしてしまい、「え?怒り?!」と面食らった思い出がある(苦笑)。いやはや、勘違いとは恐ろしいもので・・・下手すると全く逆の意味になってしまうことも。漢字は正しく覚えておかないと恥をかくことになるとその時から肝に銘じている。
2015/10/09 14:27
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言い切り
「数年以内に必ず会いましょうね」「そうだね、きっと会えると思うよ」「あれ?思うでは駄目!強い意思が感じられない!」「アハハ。確かに~~~、自分たちの職業においては『~と思います』という表現はしてはいけないよね」。これは昨日、ある人と電話で話した時の会話。相手が「~と思う」と発言したことに対してツッコミを入れたという次第。ケースバイケースだが、強い意志や主張を伝えたい時は「言い切る」ことが大切。例えば国語の授業で「ここは大事だと思うから・・・・覚えて」と言われるよりも「ここは大事!だから絶対に覚えること」と言われる方が生徒にとってはインパクトが強くなる。同様に、文章においても「~である」「~だ」で終わっているところは作者の主張になっていることが多いので要チェック。むろん、不確定の物事に対しては、いくら作者の主張であっても「~だろう」となっているが、基本はまずは「~である」「~だ」を意識して読むことが大事。
2015/10/08 12:34
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オノマトペの有効性
【受診時に痛みを表現するためにも使われる「オノマトペ(擬音語や擬態語)」の種類と病名には一定の関連性があるとされる。専門家らは、微妙なニュアンスを一言で表現できるオノマトペについて、医療現場での活用に注目する。回答に一定の規則性があることが判明。片頭痛など頭痛は「ガンガン」、関節リウマチは「ギシギシ」(後略)】(ヤフーニュースより)国語における文章表現のみならず、何気に日常的に医療現場で使うオノマトペが実は有効だということはとても興味深い。確かに張り切って難しい日本語を駆使して?「頭を定期的に・・・まあ、そうですねえ、2秒間隔ぐらいの割合で金づちで殴られるような痛み・・・」と説明するよりも「頭がガンガンします」の方が短い時間、なおかつ明確に伝わる。医療現場や国語の文章を書く時以外でも、長々と蘊蓄を述べるよりもオノマトペを使う方が日常会話が盛り上がる。生き生きとしたオノマトペを上手に生活で使いたいもの。
2015/10/07 13:55
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風来坊と風雲児
幼い頃に観ていた時代劇「暴れん坊将軍」という番組では、江戸時代の八代将軍吉宗が一般の侍に扮してふらりと町を偵察。自分のことを名乗る時には身分を隠すために必ず「~の風来坊」と言う。この「風来坊」とは、どこからともなくやって来る人。また、身元が知れず、一つ所にとどまらない人。風来人。風来者。 さて、自分自身が大人に近づくにつれて「風雲児」という言葉を知り「風来坊」と親戚?なんて勝手なことを思っていたが実は全く違う意味だということを知り、きちんと正しい意味を頭に入れた。「風雲児」は「龍が風と雲とを得て天に昇るように」、好機に乗じて世に登場した人物を表す。「風来坊」があまりいい意味ではないのに対し「風雲児はとてもよい意味となるので、しっかりと間違わないように使いたいもの。また、「風来坊」ではなく「風雲児」と呼ばれるように日々精進したいもの。
2015/10/06 10:58
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「邦」=その国の
中学校で習う漢字の一つとして「邦」と言う字がある。意味は「国。もと、盛り土(封土)をして壇をつくり、その上で天子や諸侯が神々に領有を宣言したその領域。天子から領有を認められた諸侯の領土。 くに。転じて、大きな領土をもつくにのこと。 日本の国の。 」となる。邦人(日本人、その国の人)邦楽(日本の音楽、その国の音楽)という言葉で既になじみがあるだろう。が、実は自分自身に関して言うならば「邦人」=日本人と言うことを知らず「????」であり、ニュースで「邦人」と言われても最初は全く理解不能。だんだん、「どうも日本人のことらしい」と理解していく始末。当然「邦楽」「邦画」の意味も分からない・・・。「ソビエト社会主義共和国連邦」というのも意味をろくに考えずに丸暗記。今から思うとかなり惜しいことをした・・・。たかが一つの漢字の意味だが、されど漢字の意味。新しい漢字を学ぶ時は、たとえ面倒であっても、その漢字を使った他の熟語を一緒に覚えたり、元々の語源や意味を調べて覚えると何かと役に立つ。
2015/10/05 08:27
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違い
今週末は中学校の文化祭シーズン。芽室の中学校は土曜日はお弁当持ちで最後の準備の追い込みをしたようだ。さて、お弁当のおかずの定番と言えば「卵焼き」で、「厚焼き卵」とも言われる。また、兵庫県明石市の郷土料理では「玉子焼き」や「明石焼き」と呼ばれるたこ焼きの亜種のような料理がある。卵をたっぷりと入れた生地でたこ焼きを作り、それらを温かい出し汁に入れて食べる。つまり「卵」と「玉子」で全く違う食べ物になるのだ。日常的に何気なく使っている言葉だが紛らわしいものが意外と多い。例えば体調が悪いときは「病院に行ってくる」と表現するが、厳密に言うと病院とはベット数が20床以上の医療機関、診療所やクリニック、医院とは入院施設が全くないかベット数が19床以下の医療機関のことを指す。また、「林」と「森」の違いはと言うと・・・実は両者は、木の数と密集度で使い分けるようだ。まず「林」は広い平地に茂った樹木が並び立っている状態、しかも「同じ種類の木が群生している場所」を指す。それに対して「森」は「樹木がうっそうと茂って日が差し込まず薄暗い場所」を指すという。細かいことをいちいち考えながら生活するわけではないが、たまにはじっくりと字を見ながら考えてみるのも面白い。
2015/10/04 03:05
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何を問われているか
司会者が最後まで言い終わらないうちに、ものすごい勢いでボタンを押す・・・・という場面はクイズ番組の定番。いかに早くボタンを押し、正確に答えるかを競うクイズ番組。時には回答者本人が問題を最後まで聞かないうちにボタンを押したため、問そのものを勘違いしてしまうことが起こりうる。それはそれで番組が盛り上がるのでいいわけだが、通常の勉強はクイズの早押しとは違い「じっくりと何を聞かれているか」に意識を集中することが大切。昨日の中学生クラスでは「何を聞かれているか」を把握するというテーマで授業。中学1年生だけのクラスでは、次のような問題を出した。①「植物が光を受けてデンプンなどをつくる働きを何というか」②「光を受けてデンプンなどを作るのは、植物の細胞のどの部分か」(共に中学1年生の理科の問題集から抜粋)。①に関してはすぐに「光合成」と答えた彼ら。②に関しては「あれ?なんだかさっきと似てる?!あれ?あれ?」と顔を見合わせていた。答えは「葉緑体」、文章の最後の「細胞のどの部分」をきちんと読まないと迷う問題。国語では理科よりももっと長い文章で問われるので、どこをどう意識する必要があるかを指導。いつも言っているが、国語力を上げれば他の科目でも必ず点数アップが期待できる。
2015/10/03 14:31
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質問
昨日、生徒から国語の問題文における質問ではなく、国語塾に対してどんなポリシーを持っているかといったことについて一問一答形式の質問をされた。思わず、「え?こんなに真剣に考えてるんだ~。そこらの大人よりもしっかりしてる」と(@_@)!基本的には勉強以外の質問ははぐらかすのだが、昨日はは思わず熱く?語ってしまった。なぜか?先にも書いたように質問そのものが本質を突いていたためこちらも真剣に対応したという次第。さて、こういう話がある。あるセミナー(講演会)中に某女性が講師に質問をしようとした時、女性に対して講師は「沢山の質問を持っている人は、質問がない人だ」と答え、質問に答えることなく席に戻るように指示・・・。彼女は、何かを聞きたかったのではなく、自分の「不満」を述べたかったこと(むろん、本人は無自覚)を講師が見抜いたとか。似たような話はよくある。女性からすれば、解決云々、 答え云々は横において、まずは気持ちをすっきりさせるために「話を聞いてほしい」だけなのだが、ついつい男性側としては真面目に解決策を考えて答えてしまい、結局は「私の気持ちを分かってくれない」となるというパターン。日ごろから国語力を鍛えて?!相手は何を問うているのか?何を知りたいのか?逆に、相手に対して自分は何を求めているのか?本当にアドヴァイスをもらいたいのか?それとも単に聞いてもらいたいだけなのか?を冷静に判断できるようになると世の中が平和になり人間関係が円満になる?!
2015/10/02 14:53
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言葉の意味
酒井駒子さんの「ぼくおかあさんのこと・・・」という絵本がある。とても人気のある絵本で、長年のロングセラーになっており、「ああ、あのウサギさんが表紙の!」とピンと来る人も多いのでは。さて、内容は「ぼく、おかあさんのこと・・・キライ!」というセリフから始まるこの絵本。「ねぼすけで日曜日の朝はいつまでもいつまでも寝てるし、ドラマばかりみてマンガみせてくれないし、すぐ怒るし・・・。何より、ぼくとは結婚できないっていうし!etc.」。「ぼくおかあさんのこときらい」というのは実は「大好き」の裏返しであることは絵本を最後まで読むと、これでもかと伝わってくる。だが、「キライ」だけに着目し言葉通りに取ってしまうと大きな誤解を読んでしまい、そこが日本語の難しいところ。さて、「アナと雪の女王」という映画が大ヒットするのと同時に「Let It Go~ありのままで~♫」という歌や言葉も大ヒット!これも「あなたが、ありのままの姿で存在すること自体が素晴らしい」と意味しているが、決してこれは「今の状態で成長しなくてもよい」とはならない。存在自体は素晴らしいが、このまま立ち止まって満足してしまうことを推奨しているのではないよなあ・・・と最近よく思う。短い言葉だけが独り歩きしがちだが、前後の背景などをきちんと把握し言葉の本質をつかむことが大切。
2015/10/01 11:34
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寝転がり勉強法
「寝転がり勉強法」という言葉を最近立て続けに聞いた。具体的には、先生の話を集中して聴き、きちんとノートを取る。帰宅後、寝転がって授業を全部思い出し、思い出せない部分はノートを見るという方法。こうすることによって必然的に授業を集中し、どうやって暗記しようかと脳をフル活用することになる。これは年号や固有名詞など細かいことを覚えるのには向いていないかもしれないが、客観的にはとっても有効な素晴らしい勉強法だといえるだろう。自分でコツコツと教科書や参考書を読むよりも、目と耳と使って集中して授業を聴く方がインパクトがあり、記憶に残りやすいのは動かない事実、それをうまく利用した勉強法だろう。勉強に限らず、楽しかったことなどは無意識のうちにイメージで追体験をし思い出すことによって人間は記憶としてとどめている。さて、意識するしないにかかわらず、インパクトのある物事は記憶に残りやすいという当たり前のことを利用しつつ今週の小学生クラスの資料を作成中。少々グロテスク?!なインパクトある資料になったと自画自賛・・・小学生諸君は講ご期待?!
2015/09/30 15:37
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