めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
雨脚(雨足)
今日は昨日とはうってかわって、穏やかな雨。昨日は雨脚(雨足)が強い中、通塾してくれた生徒さん、送迎して下さった保護者の方々には頭が上がらず、本当の本当に感謝の気持ちでいっぱいである。さて、雨が強いこと、多くの雨が降ることを「雨脚(足)が強い」と表現する。正直言って、この表現を聞くと「大雨=不快」という自分の中の気持ちが少し和らぐのである。なぜならば、地面に向かう雨の先に可愛い小さな「足」を想像してしまうからである。とはいえ大雨の中、出かける時は(実際昨日も大雨の中外出した)そんなのんきなことを言っていられず、いかに無事に外での用事を済ませるかということに意識は集中するが。ちなみに本日のタイトルにもあるように「雨脚」でも「雨足」でもどちらの表記でも良いそうだ。「雨脚」のほうが、中国から入ってきたそうで「うきゃく」と読んでいたものを、訓読みにして「あまあし」と読んだ。その読みに当て込んで「雨足」となったのではないかという説がある。ニュース、新聞など公の情報提供する媒介では「雨脚」「雨足」表記共に使われている。ぜひじっくりとご覧いただきたい。
2016/08/31 08:28
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泣いて馬謖を切る
「泣いて馬謖を切る(ないてばしょくをきる)」という中国由来の故事成語がある。【意味】どんなに優秀な者でも法や規律に従い処断しなければいけないこと。中国の三国時代、諸葛孔明が魏と戦ったとき、親友の弟で腹心の部下だった馬謖が命令に背き、布陣したため大敗を喫した。孔明は軍法に従い、涙を流して馬謖を斬罪にしたという『三国志・蜀志・馬謖伝』にある故事に基づく。さて、長く通って来てくれている某生徒たちから「モンゴル人」「モンゴル出身?」と言われ続けている自分自身。先日も某生徒が別の生徒に「先生ってどこの国出身に見える?(モンゴル出身と誘導したい…笑)」と熱心に聞く姿が。聞かれた生徒は、当たり障りのない答えを・・・と必死で、取りあえず隣国で大国である中国を挙げて「先生って中国人みたい」とのこと。どう見ても日本人かモンゴル人にしか見えない風貌だが、中国の故事が大好きな自分にとって「中国人みたい」と言われて悪い気はしない(苦笑)。話は戻るが、中国の故事成語は、非情?と思われるようなことも由来になっていることがある。しかし、人間は表面上の優しさだけではなく、時には非情と思えるような厳しさも持ち合わせる必要があるのでは?と勉強になる。学生時代にアルバイトでお世話になっていた塾の塾長。人情味あふれる方だったのだが・・・・「泣いて馬謖を切る」ことが出来ず・・・・結局、それを見た自分はさっさとその塾を去り、塾自体もあっという間に廃業になったらしい。むろん、廃業になった理由は「馬謖を切れなかった」だけではなく他の要因もあるだろうが。今後も中国の思想を実践しようと張り切り中。
2016/08/30 12:25
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逆鱗に触れる
「琴線に触れる」とごちゃ混ぜになってる「逆鱗に触れる」について。「逆鱗に触れる(げきりんにふれる)」【意味】逆鱗に触れるとは、目上の人を激怒させることのたとえ。【逆鱗に触れるの解説】「逆鱗」とは竜のあごの下に逆さに生えているうろこのことで、そこに触れると竜が怒って触った人を殺してしまうという伝説から。『韓非子・説難』に「その喉下に逆鱗径尺なる有り、若し人これにふるる者あらば、則ち必ず人を殺さん。人主も亦た逆鱗有り、説く者は能く人主の逆鱗にふるること無くんば、則ち幾からん(君主にも逆鱗というべきものがあるので、遊説者が君主に意見を述べるときは、その逆鱗に触れないようにするのが大切である)」とあるのに基づく。ちなみに竜とはご周知のとおり、想像上の動物であるが、水神や海神として祀られており、お守りとしてのグッズ販売、橋の名前、神社の名前にも用いられている。つまり霊獣(高貴な、神に近い動物)と考えられていることから「逆鱗に触れる」とは目上の人を怒らせてしまうという場合に用い、目下の人を怒らせるという時には使わない慣用句。ところで、古文では「む(ん)」は推量・意思「~だろう、~しよう」という訳で、「~ない」という意味ではないことに要注意。つまり「必ず人を殺さん。」は「必ず人を殺すだろう」という意味になる。
2016/08/29 13:08
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琴線に触れる
「琴線(きんせん)に触れる」という言葉がある(中学2年生の教科書に出てくる)。《琴線は、物事に感動しやすい心を琴の糸にたとえたもの。良いものや、素晴らしいものに触れて感銘を受けること》なのだが、文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味とされる「感動や共鳴を与えること」で使う人が37.8パーセント、本来の意味ではない「怒りを買ってしまうこと」で使う人が35.6パーセントという結果が出ている。なぜこのような誤用がまかり通るのかと考えてみたところ、おそらく「逆鱗(げきりん)に触れる」とごちゃまぜになってるのでは?と思い至る。「逆鱗に触れる」の意味は、「天子の怒りに触れる。また、目上の人を激しくおこらせる」となる。どうせ「触れる」ならば「琴線」に触れたいもの。さて、幸いにして自分自身に関して言うならば最近「逆鱗に触れる」ことは皆無に等しく(たぶん・・)、逆に「琴線に触れる」出来事が多々あった。そのうちの一つが友人からの素晴らしいコメント。ちょっとしたことで凹んでいたところ、その凹んでいる内容を基に「妄想劇場」なるものを創造し文章で送ってくれたこと。大いに琴線に触れ、その後に大爆笑!たかが文章、されど文章。良くも悪くも周囲に影響を与えるものだと改めて実感し、少しでも「逆鱗」ではなく「琴線」に触れるような発信をしていきたいものだと内省。
2016/08/28 03:24
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コメントありがとうございます!実は…そうなんです。実際に友人のことを「師匠」と呼ばせてもらっています。師匠は妄想を形にするのもプロで(刺繍作家です)・・・。近々、本人の了承をもらい、妄想劇場の文章を一部ブログに掲載しようかと企んでいます(笑)
2016/8/29 00:04 返信
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卵が先かニワトリが先か
「卵が先かニワトリが先か」論争がある。ニワトリが生まれるためには卵の存在が必要だ。しかし、そもそも卵はニワトリがいないことには作り出すことができない。一体どっちが先にあったのかという議論だが、これはあらゆる場面でよく使われる論法。さて、ベストセラー作家である市川拓司氏(代表作は映画化にもなった「いま、会いにゆきます」など)の新刊「ぼくが発達障害だからできたこと」(2016.6.30第一刷発行)を最近読んでおり、ふと先の「卵が先かニワトリが先か」を思った。「発達障害だからできた」のか「成功したから、発達障害のおかげ」と謙虚な姿勢で言えるのか?さすがに本のタイトルとしては「発達障害だからできた」とすべきではあるが、実際のところは様々な紆余曲折がありながらも「成功を収めた」から「発達障害だからこそできた・・・」と言えるのではないか?とツッコミを入れたくなる。決して市川氏を非難しているわけではなく、むしろ逆。今、大変な状況であったとしても暗闇を抜けた後には「あの時の経験のおかげで・・・」と必ず言えるのだと思う。つまり暗闇を抜けた後には辛くて大変だったことがまるでオセロの駒を裏返しにしたかのように一瞬にして「良い経験」といった財産になるが、暗闇を抜ける前にあきらめると「不幸は不幸のまま」なのだろう。長年生きていると…ついつい様々なことにツッコミを入れたくなり、真夜中にこうして訳分からないことをつぶやいている自分にさすがに呆れ気味(苦笑)。
2016/08/27 03:16
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可愛さ余って・・・
「可愛さ余って憎さ百倍(かわいさあまってにくさひゃくばい)」という慣用句がある。意味は「かわいいという気持ちが強ければ強いほど、いったん憎しみの感情が沸けば、その憎しみは度もはなはだしいものだということ。」【注釈】日頃から可愛がっていた者に裏切られたりして、ひとたび憎いと思うようになると、その憎しみは可愛さの何倍も強くなるという意味。つまり、愛と憎しみは表裏一体であるということが伺える。偏りが強ければ強いほど、そのバランスが崩れた時の反動が強いということか。さて、こういったバランスを古人は現代人よりももっと意識して言葉を使っていたらしいことが様々な古語から伺える。それゆえ、一つの言葉に対して逆の意味を含むということが頻発・・・。例えば、中学3年生の教科書に「多摩川に さらす手作り さらさらに なにその児の ここだかなしき」(東歌)が掲載されており、「かなしき」の意味を選ぶ問がある。単純に考えると「悲しい😢」となるが正答は「いとしい(可愛い)」となる。古語を沢山覚えれば困ることはないのだが、膨大な量の古語をすべて覚えるのは不可能であり、またそんなことをする必要はない。古語と現代語では意味が異なることがあるということを意識して、文章全体から把握することが大切。特に、俳句や短歌は「感動」を詠んでいるのだから、児(子供)に関する歌は大抵が愛情を込めている場合が多い。
2016/08/26 13:54
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我以外皆我師也
昨日の午後2時30分~50分の枠でFMウイングの生放送に出演させていただいた。テーマはズバリ「やるなら今だよ!国語の時間」、こんな素晴らしいテーマに対して果たして自分が担当でいいのか?などと言った不安がなかったと言えばうそになる。が、出演させていただいた感想は・・・「最高に楽しかった」!友人から「緊張しない?」と聞かれるのだが、全く緊張せずにリラックスして楽しい時間を過ごした。これはひとえに担当者M様が、うまく話を引き出して下さり、和やかな雰囲気を上手に作って下さるから。思わず故吉川英治氏の「我以外皆我師也(我以外みな我が師なり)」という言葉が脳裏をよぎった。(吉川英治氏は、『宮本武蔵』や『新平家物語』で著名な作家)。この言葉は「すべての人、自然、全てから学ぶ」という意味で、人様を相手にする仕事をしている自分にとってはまさにM様の神対応が勉強になったという次第。「人の振り見て我が振り直せ(他人のやっている動作や態度で好ましくないと感じたら、その相手をとがめる前に、自分は他人に対して同じようなことをしていないか、他人の行動を自分のこととして省みなければならない。)」という慣用句が昔から日本に存在し、確かに相手のマイナス点からも色々と学ぶべきことが沢山あるだろう。が、昨日は「目の前の方のプラス面」から沢山のことを学ぶ機会を頂き、ただただ感謝である。来月の出演も今からワクワクしながら楽しみにしている。機会がある方はぜひお聴き下さいまし。
2016/08/25 12:26
一言表現
国語の記述では、具体例を一言で表現、登場人物の気持ちを一言で書かなくてはならない。つまり、文章から抜き出すわけではなく文章を参考にしながら、短い表現に置き換えるということ。これをマスターするにはとにかく「練習あるのみ」ということで、先週から小学生クラスは「一言置き換え」演習。さて、日常生活において、親が子供に「今日は学校でどんなことがあったの?」と聞いた場合に「別に。普通」(一言表現)と答えがちなタイプは、日ごろから訓練しているため?日常生活のモードを国語にも生かせばよい?!逆に「今日は○○がこうしてああして、そして△△で・・・・」とエンドレスに応えるタイプは「○○が楽しかった、△△が悲しかった」と一言で表現するよう時々心がけるとよい。むろん両方を使い分けることが出来るタイプは…何も言うことがなく、国語の問いに置いては「今回は一言で」「今回は具体的に」と判断すべし。先週、R君の「お世辞ってどういう意味?」と発言に対してS君が「ドラえもんに出てくるスネ夫のようなタイプを『お世辞がうまい』と言うんだよ。」と的確に一言で答えており、内心拍手を送った。ちなみにS君は長いストーリー?!説明もお得意で今後がますます楽しみ。
2016/08/24 12:11
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ノリ
国語塾に通塾している生徒たちは、国語塾以外に別の塾も通っているパターンが多く、生徒本人や保護者から他塾の先生の話を聞くことがある。時には一緒になって「すごい先生だね~」と感動したり、有る時は「え?そうなんだ~」と少々違和感を感じたりと楽しんでいるが、正直言って「ノリが同じ」同業者には今までお目にかかったことも聞いたこともなかった。が、先日、ある保護者から某塾の某先生の話を伺ってあまりにも自分自身と「ノリが同じ」でさらには生徒に対しての父性・母性本能をくすぐられる箇所も同じだったのでびっくり!保護者の方も当然びっくりし、伝えてくれた次第。その同業者と自分自身とは年齢はもちろんのこと性別も違うのだが、かなり親近感を勝手に抱いている(苦笑)。さて、この「ノリ」という言葉の語源は遠い昔、能の時代までさかのぼる。能や狂言などに使われる邦楽のテンポやリズム感を指す言葉として「乗り」を使っており、そのリズム感がうまくいっているかどうかで「乗りがいい」「乗りが悪い」と表現するそうだ。そんな「乗り」という言葉が、「ノリ」に形を変えて使われ始めたのが1980年代のことで、ロックが人気を博し、英語のために作られたテンポに日本語がうまく「ノッ」ているか、という意味で「ノリがいい(悪い)」という使われ方をされたのが始まりという。基本的に「ノリ」とはその場の空気に合わせるものだと思っていたが、最初から全く同じ「ノリ」が存在することは貴重であり嬉しいことだ。
2016/08/23 04:44
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埒が明かない
昨日は休日、しかも雨だったため引きこもってあれやこれやと物事を進めるつもりで張り切っていたのだが、当然?思った通りに進むわけもなく、思わず「これじゃあ埒が明かない(物事がはかどらず進まない)!」と大きなため息が。と同時に「あれ?埒って一体何?」と疑問に思ったので調べてみた。実は「埒(らち)とは、馬場の周囲の柵」のことだそう。囲いを開くと馬が外に出てしまって、全て(物事が)終わってしまう。しかし囲いを開けないと状況が変わらず事が運ばない。 何だか妙なジレンマ・・・。そこから転じて「埒が明かない」=「物事がはかどらず進まない」になったらしい・・・と納得したのも束の間。今度は「あれ?柵だから『開ける』ではだめなの?」という疑問が。またまた調べてみたところ、「明く」には「ふさがりがなくなる」という意味があることから「埒が明かない」⇒「柵のふさがりがある」で良いのだとか。ウーン、漢字は表意文字だし~と高をくくっていたのだが「明く」には「ふさがりがなくなる」という意味があることを知らず、単純に「開ける」と思ってしまった・・・。まだまだ勉強!そう言えば、帯広競馬場の人気PR馬のミルキー(白いばん馬)は以前、脱走を何度も繰り返した、と関係者から聞いたことがある。今は埒が明かないよう頑丈な馬房で観光客に愛想を振りまいているが。ばん馬は気性がは激しくはないが、さすがに脱走されると・・・かなり怖く、お互いに危険。安全第一。
2016/08/22 09:46
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