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小さな国語塾のつぶやき

記述のコツ

国語において「記述問題」は一番難しいと言えるだろう。が、実は慣れると意外と思ったよりは難しくない。では、そのコツとは?大きく分けて次の四点。今回は「説明文」「論説文」についてのみを解説する。①接続詞が命②言いかえを意識する③誰が読んでも分かるように④本文丸写しではなく、語順入れ替えなど。小学生の頃だと本文を9割がた丸写しして語尾だけ「~から」「~こと」とすれば正解だったが、中学生ともなるとそうはいかない。必要に応じて言葉を省いたり入れ替えたり、場合によっては付け足すことが必要。接続詞を見て正しいヒントを見つけ出しているにもかかわらず丸写しした場合には明らかに字数が足りない、あるいはオーバーだからと言って「字数」の合いそうな別の場所を「抜き出し」てしまうことがしばしば起こりうる。その場合、④を意識する必要がある。例えば二十字以内で答える問の場合、ヒントとなる部分が「よけいな情報を増やすこと」だが、それでは字数が足りない!と別の個所を適当に「抜き出し」てしまったというケースがある。「抜き出し」ではなく、あくまで「本文中の言葉を使って」なので、答えは「対局中によけいな情報を増やすこと」となる。実は、この文章はプロの将棋士が書いたもので本文の最初の方に「対局中に」と言う言葉あり、そこから「対局中」や「将棋中は」といった言葉を補足すれば字数がピッタリになる。そもそも「よけいな情報を増やすこと」を見たり聞いたりするだけでは「え?いつ?なんどきの事?」と意味不明。つまり、誰が読んでも分かるように!を意識すればおのずと「対局中に」という言葉を入れることになる。続きは明日。

2016/10/30 14:03

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みかづき(長編小説)

「みかづき」(森絵都著 2016.9・10発行)をようやく読み終えた。おかげで寝不足・・・(苦笑)。昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族を描いた長編小説。塾業界に少しでも足を突っ込んだことがある人ならば「ああ、分かる~」ということばかり、むろんそうではない人が読んでも「へ~!そうなんだ」という関心とともに登場人物たちのそれぞれの魅力に惹きこまれること間違いない、素晴らしい作品。正直言ってあまりにも分かりすぎる自分にとっては最後は涙が・・・自分の教育観や夢を見直す良い機会になった。同時に、これだけのことを調べて書くためには一体どれほどの膨大な取材をしたのだろう?と思うと、毎回のことだが数時間で読み終えてしまうことに対して申し訳ないような気が。昔からとにかく本を読むことが好きで、好きで、沢山の本を読んできたからこそ、本を書いて下さった方々のおかげで自分は年々少しだけ賢くなっているかな?と自負している。学校関係、塾関係、はたまたいうならば日本の教育のトップである文部科学省の官僚・・・時としてベクトルが別方向を向くことがあっても、皆それぞれが「よりよい教育を」という理念を基に日夜努力しているということは確かだろう。

2016/10/29 14:46

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鶏冠に来る

先日「鶏頭」について調べている過程で「鶏冠に来る」という言葉を見つけた。腹立たしく感じカッとなることを「頭に来る」というが「鶏冠に来る」とは、この「頭に来る」を強めた言葉であるらしい。鶏冠とは鶏の頭にある赤い部分のことだが、カッときて頭に血が上った様を鶏冠に例えて出来た言葉と思われ、1960年代前後の映画『お姐ちゃんシリーズ』の中で中島そのみが使ったことから流行った言葉である。成程、怒りの炎の色や様子がまさに鶏冠のようである。さて、世の中には時々、あらゆることに対して怒っている人がいる。ポストが赤いのも空が青いのもすべて「周囲の人が悪い」という勢いで口を開けば物事の批判のオンパレードのようなタイプ。そういう人とはとにかく話が平行線(一方的に相手がしゃべっている)がどう相槌を打っていいか分からず、とにかく疲れる。でも、この言葉を知ったおかげで今後はあらゆることに対して怒りを抱いている人を目の前にしたら、相手の頭の上に「ああ、今鶏冠が出ている・・・」と鶏冠を乗せた場面を想像して自分の意識を相手の言葉から逸らそう!という妙案が浮んだ。言葉は時に相手を傷つける道具となるが、同時に的を射た言い回しは想像力をかきたて、相手からの言葉の攻撃へのクッションになるなあと不謹慎なことを考えている秋の日々。

2016/10/28 12:02

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知識や教養の貯金

昨日は月に一度のラジオレギュラー出演。担当者M様のお上手な進行、明るいお人柄のおかげで、毎回楽しくて、最近は病みつきになっており、既に来月が楽しみに・・・。さて、最近の若い子の病みつきと言えばピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」だろう。簡単な英語の歌詞と振り付けに、一度聴いたら頭から離れなくなる、そしてマネしたくなる「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」、8月25日にYouTubeで公開された「PPAP」動画は中高生を中心にネットで話題となり1ヶ月後の9月末には、ジャスティン・ビーバーにシェアされるなど、今、世界中で大人気となっている。昨日のラジオ番組でも「国語」のコーナー番組のテーマ曲がピコ太郎の音楽と似ているということから「PPAP」が話題になり・・・。担当者のM様の先見の目、感性(ピコ太郎が流行る前から国語のコーナーあり)に感服するやら、国語塾の生徒に感謝するやら。たまたま先週の水曜日、金曜日の生徒たちが某資料を見て「ペンパイナッポー・・・」と歌い始め、「???」だったところ詳しく教えてもらった次第。最近の時世に疎い自分はというと「PPAP?何それ?PPKなら知っているよ。ピンピンコロリで、人間の理想的な最期の迎え方で・・・」と言うと思い切りドン引きされたことは言うまでもない。年配の方から学ぶことが多いことはもちろんだが、若い世代などなど様々な世代から学び、知識や教養の貯金を殖やしたいもの。

2016/10/27 15:43

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俳句の季語

鶏頭という花をご存知だろうか?読んで字のごとく、見た目が鶏の鶏冠(とさか)に似ている花で夏から秋にかけて咲く花。田舎育ちの自分は、幼いころから当たり前のように目にしていたのだが最近の子供たちは知らない場合がほとんど。俳句で「けいとう」と出て来た瞬間に「???」で「毛糸?」という発言も。中学生ぐらいになると漢字表記の俳句が出てくるのだが、「鶏頭」と書かれるとダイレクトに鶏を思い浮かべかねない。有名な句としては「鶏頭や雁の来る時尚あかし」(芭蕉)「鶏頭の十四五本もありぬべし」(正岡子規)などが挙げられる。花自体が赤く、葉が紅葉するわけではないのだが「鶏頭」は、咲く時期から判断して秋の季語である。さて、季語を考える時には①旧暦にあてはめる②植物などは咲いている時期そのもの、という2パターンで季語を判断する必要があり、難しい。例えば「向日葵」というと7,8月に咲くからといって①に当てはめると「秋」になってしまうが、この場合は単純に②にあてはめて「夏」。鶏頭もしかりで「秋」の季語。では、①の場合はというと代表的なのが「五月雨」。五月は旧暦では「夏」になるので「五月雨」は夏の季語となる。何が言いたいか?季語に関しては2パターンあるということ、さらには基本的に「花」は「春」の季語だが「向日葵」や「鶏頭」といった例外を覚えることが大切。

2016/10/26 12:39

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方丈の住まい

【若者が「東京四畳半暮らし」にハマる理由】というタイトルに思わず釘付けになった。え?最近の若い子たちは「方丈記の世界に憧れているわけ?」と思いつつヤフーニュースを読むと次のような文が。【面白い不動産会社があります。「EARLY AGE(アールエイジ)」という会社です。扱っているのは、狭いと7平米、いわゆる四畳半程度の小さな部屋。(中略)そこには、トイレとシャワー、洗面所と流し台を兼ねたシンクがあり、下に洗濯機がはめ込まれています。(中略)空室が出るとすぐに埋まってしまうそうです。】(ヤフーニュースより10月25日付)要するに通勤時間の短縮や、安い家賃と言った合理性を優先した若者に人気のようだ。さて、「方丈記」とは鎌倉前期に鴨長明が著した随筆。仏教的無常観を基調に、大風・飢饉(ききん)などの不安な世情や、日野山に閑居した方丈(約四畳半)の庵(いおり)での閑寂な生活を描いている。鴨長明の父親は京都の立派な神社の禰宜の職についており、長明は、いい家のお坊ちゃんだったが・・・彼自身は禰宜になれなかった。世の中は先にも書いたように飢饉や災害ばかりという状態で彼の人生観は「無常観」➡世捨て的に方丈庵へと向かうわけだが、現在の若者の場合は世捨てどころか本当に「合理的思考」だと言える。どちらの思考が良い悪いとかはないが、正直言って若者の親や祖父母世代からすると「狭い住まい」=「かわいそう」「貧乏」となりそうだが、見方によっては「かわいそう」「貧乏」どころか「幸せ」「合理的」。同じ選択をするならば「自分にとっての」「幸せ」「前向き」「合理的」な方を選びたいもの。

2016/10/25 13:58

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夢と知りせば

現在、大ヒット中の映画「君の名は」の公式サイト内で次のようなコメントを見つけた。「未来の物語を小野小町の和歌『思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせ覚めざらましを』(訳:あの人のことを思いながら眠りについたから夢に出てきたのであろうか。夢と知っていたなら目を覚まさなかったものを)を引っ掛かりとして、アニメーションのフィールドの中で描く事が出来ると思いました。」(「君の名は」公式サイトより)思わず、これを読んだ時に「おっ、『~ば・・・まし』の説明で使える!」とほくそ笑んだ。人間は自分が興味の薄いことは聞いたり見たりしてもなかなか頭に入ってこない。先の「~ば・・・まし」は「もし~ならば・・・だろう」は重要古語として中学生には不可欠だが、単に意味を説明したところで印象に残るとは思えない。が、古文に対して拒否反応を持っている某生徒、「君の名は」を小説で読んでおり近々映画を観る予定とのこと。小野小町の和歌が映画の下地にあり、その歌には「~ば・・・まし」という重要古語が含まれているという順序で説明してみようと今からワクワクしている。むろん、こちらが必死で授業計画を立てたり資料を作ったとしても全く「受け」ないこともあり、逆に「え?これが?」と思うようなことで意外な反応があるのは日常茶飯。ただ、ちょっとした日常から少しでも授業に使えるヒントを探すのが自分自身の最近に楽しみである。☜単なる自己満足(苦笑)!?

2016/10/24 12:42

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普通の事

生徒に対しての口癖の一つに「普通に!普通に!考えすぎないで!」がある。「個性」や「オンリーワン」が尊ばれつつある今日この頃だが、国語の問題文を解くときには「一般的な」「普通」を意識することが大事。この「一般的な」「普通」というのは、例えば日常生活において「食事の前に手を洗う」「トイレから出る時には手を洗う」といったレベルのこと。つまり、訓練して慣れてしまえば当たり前のように行うことが出来るであろう内容。意外と「○○と同じ内容が書かれている一文を探し、最初の5文字を書く」「30文字で抜き出す」という問に対して、○○と同じ内容の部分そのものを抜き出してしまう間違いや、抜き出す時に無意識に漢字を平仮名にしてしまったり、逆に平仮名を漢字にしてしまったりというミスが多い。国語が得意だったり、こういった問題になれている人からすると「当たり前」のことで間違えてるように思えるミスだが、小中学生には多くある間違い。では、どうすればいいか?「何を聞かれているか」をきちんと把握し、言われたことをきちんと行う!という意識を持つこと。そして、ミスをしてしまったら、そのことを自覚、理解し似たようなパターンの問題を反復練習する必要がある。先に書いた「食事前、トイレを済ませた後の手洗い」についてはある程度の年齢になったら「普通に」「当たり前」のように行っているが、幼い頃は「ついうっかり・・・」ということは誰にでも経験があるだろう。言い換えると、日常生活における「当たり前」のことが出来る、素直に人の話を聞けるタイプは必ず国語が出来るようになる可能性有り。

2016/10/23 02:05

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漢字を覚える時。。。

「知らないことはイメージできない!」。だからこそ、漢字の熟語を覚える時には漢字、言葉の意味を知り、理解してから覚えることをお勧めする。例えば、明日「漢字テスト」があるとなると皆必死で漢字を機械的に何度も何度もくりかえし書き、丸暗記することが多くなる。目前の漢字テストは点数が取れても実際の知識として入っているかと言われるとはなはだ疑問。時間がたつとすっかり忘れてしまう、同音異義語が全く書けないという事態に。分からない熟語の意味を調べるのは面倒で時間がかかるが、昔と違って今は電子辞書やスマホといった便利なツールがあるのでわざわざ国語辞典(これが一番理想だが)をひかなくてもパッと調べることが可能。また、そばにいる人に「聞く」のもOK。だから少しの手間を惜しまず漢字のを意味を知るよう心がけてほしい。生徒に直接「○○とはどういった意味ですか?」と聞かれると説明したり、究極は手振り身振り、動作で示し、漢字問題集を預かった時などは直すだけではなく、意味を書き込み、同じ漢字、読みを使った言葉を記入するようにしている。例えば「閑散」を書けない場合、模範解答と「閑」の意味(暇である)、「閑古鳥が鳴く」といった慣用句とその意味などを紹介。こういった手間暇を惜しまず努力すると知識量が一気に加速する。

2016/10/22 15:13

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古典の勉強法

古典では「単語」「時代背景」「有名な話」が大切だと昨日書いたが、中でも一番「単語」が重要。いつも書いているように古典、特に古文は日本語表記にはなっているものの、ほとんど外国語と同じだから。英語だと皆必死で単語を覚えるが、意外と古文となると手薄になってしまう。日本語だから・・・という意識が影響しているのかもしれない。さて、英語の長文を読むときにすべての文を頭の中で完璧な日本語に翻訳して読んでいる人が一体どれぐらいいるだろうか?おそらくほとんどいない、というよりもいちいち日本語に訳していたら時間オーバー。He  plays soccer  after  school   in  the  park.という文があった場合、パッと見て「彼、する サッカー 放課後 公園」だだけで十分意味が取れるのでそのまま次の文へスルーしているはず。でも、もしも単語が分からなかったらそこで止まってしまいお手上げ。上記のような簡単な文ならば多少、単語の意味が分からなくても予測はできるが。古文は主語が省略されていたり、一文が長いため難易度は上がるが意味を選ぶ四択などは単語を知っているだけでアッという間に正解にたどり着く。先日の中学3年生の問題で、正しい意味を選ぶ問に「~したい」という選択肢があったが、傍線部の文中には「~まほし(口語訳 ~したい)」がないので自動的に×。「~できない」という選択肢も本文中に否定の「ざ行、ぬ」がないのでこれも自動的に×。最後は2択になりそこからは前後の文脈から考えることになったが、かなり選択肢が絞られてスマートに。古文はどこから手を付けていいか分からない時はまずは「単語」、中学生にとって必要な最低限の決まり(☜こればかりは専門家に聞くのが一番)から。

2016/10/21 10:59

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