めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
陰徳陽報
今日、明日から新学期が始まる。夏休みという充電期間を経て、皆フレッシュな気持ちで元気に新学期を迎えてほしいものだ。さて、新学期に合わせて…というわけではないのだが、授業日程などが大分整ってきたのでHPに手を加えてもらおうと、担当にMさんに依頼したのが先月。MさんはHP作成を本職としているわけではなく、ほとんどご厚意に甘えている状態なので「変更は急がない」という旨を伝えておいたところ・・・。なんとなんといつの間にか内緒でHPを綺麗に変更してくださってるではないか!慌ててお礼の連絡をすると『「いつ気づくかな?」ってイタズラ心で楽しみにしてます』というウィットにとんだコメント。有難いのはもちろんのこと、『「陰徳あれば必ず陽報あり《「淮南子(えなんじ)」人間訓から》」人知れずよいことを行う者には、必ず目に見えてよいことが返ってくる。陰徳陽報。』という言葉が頭に浮かんだ。誰に対しても誠実なMさんには素晴らしいことが必ず起こるだろうなあと思うと同時に、自分自身も昔の訓、心に留めて実行していきたいものだと言い聞かせた。
2014/08/19 03:08
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息抜き
「鈴屋」と聞くと、料亭?旅館?呉服屋さん?と思い浮かべるであろうが、実はこれは本居宣長の自宅二階にある書斎の名まえ。本居宣長とは江戸時代の偉大な国学者で、国学の発展に多大な貢献をしたことで知られる。彼は、古事記を研究して解読に成功し「古事記伝」を著し、「源氏物語」中にみられる「もののあはれ」という日本固有の情緒こそ文学の本質であると提唱した。鈴をを愛好した宣長は書斎の床の間の柱に掛鈴を吊り下げ、執筆活動の息抜きにそれを鳴らして音色を楽しんでいたという。そして宣長はこの書斎を「鈴屋」(すずのや)と名づけた。医師でもあった宣長が多忙であったのは想像に難くない。そんな彼と比べること自体がおこがましいが・・・夏休みは土日関係なくほぼ毎日仕事があったのだが、ようやく今週末は完全オフになったので息抜きに出かける予定。というわけでブログは一日お休みし、火曜日から再開予定。講うご期待?!
2014/08/18 15:02
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こだわり
授業で使用するレジュメ(資料)の大半は自作している。作成するときに心がけることが①シンプルで分かりやすい②大切な事柄のいくつかを敢えて資料には入れないという二点のこだわりがある。①はともかくとして②に関しては、生徒自身に記入してもらうという目的があるからである。読んだだけではなかなか身に付かない、分かったつもりになってしまう。だから説明を聞いて、書いて、見て・・・と五感を活用することによって少しでも身につけてもらえればという気持ちからである。また、ご丁寧に大切なことすべて書いてある資料だとわざわざ授業を受ける必要がない?!という思惑もある。指導者が自分一人だけという小さな小さな塾だからこその「こだわり」。そんな「こだわり」に共感できる方のみ、大歓迎。
2014/08/16 03:21
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かしこ
手紙の書き出しとして「拝啓」「謹啓」、結びが「敬具」が一般的であるが、特に女性に関しては書き出しが「一筆申し上げます」、結びが「かしこ」と終わるのが一般的。これには理由があり、平安時代に仮名文字が生まれて、やがて女性が手紙をひらがなで書くようになったことに由来する。ひらがなは流麗で女性らしい文字から「女手」「女文字」などと呼ばれ、男性の文体とは区別された。仮名文字で女性の作品で有名なのは「源氏物語」や「枕草子」。現在でも、女性の手紙の終わりに「かしこ」と書くのは、その時の名残。「かしこ」とは「恐れ多い」という意味の「畏こ」の語幹で「これで失礼します」といった意味。女性だけが「かしこ」を使わなくてはならないのは「差別」などと思わずに、女性に与えられた特権とばかりに、美しい文体で手紙を書くのはいかがだろうか?
2014/08/15 11:36
無理が通れば道理が引っ込む
「無理が通れば道理が引っ込む(まちがったことが堂々と行われると、正しいことが行われなくなること)」だと、「まんだらけ」事件に対してつくづく感じる。漫画「鉄人28号」のブリキ製おもちゃ(25万円)を万引したとされる人物に対し、返さなければ顔写真をホームページ(HP)上で公開すると警告していた古物商「まんだらけ」(東京都中野区)は13日、公開を中止した。12日までを期限に返すよう求めていたが、「警視庁の要請により」として態度を軟化という。HP上に顔を公開すると「犯罪履歴」としてネット上に半永久的に残る、犯人と似た容貌の人が誤って攻撃されるといった危険性があるため公開を中止要請したという。たしかに今回ははっきりとした映像が残っているので、警察の捜査によって犯人が捕まるのは時間の問題と思われるが・・・。正論を押し付けるのは良くないが、かといってある程度の正論を通さないと秩序が乱れるのも事実。このバランスが難しいと思う今日この頃である。
2014/08/14 10:10
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参考・・・
{10月よりスタートするテレビ東京系ドラマ「玉川区役所 OF THE DEAD」の設定が既存の漫画作品に似ていると「いでじゅう!」「今日のあすかショー」で知られるモリタイシさんらがTwitter上で指摘している。同ドラマとの類似が指摘されているのは、福満しげゆきさんによる漫画作品「就職難!! ゾンビ取りガール」。 どちらもゾンビの存在が日常化した日本が舞台で、ゾンビの捕獲を仕事とする主人公と新人女子の恋模様などを描いたコメディーだ。}という記事をネットで読んだ。ドラマが始まってみないことにはどの程度似ているかは分からないわけだが・・・・・。意図的に完全に内容をコピーするのはよくないが、文章を書くときにおいては専門家の「書き方」を参考にすると良い。例えば、意見文は論説の「~だろうか?」といった疑問形で書くことを参考にする、作文においては小説の中の登場人物の生き生きとした動きの表現を参考にするなどなど。
2014/08/13 02:42
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不快指数
昨日の夕方は雨上がり後で、いつもより蒸し暑かったが気温は25度。湿度が高いと実際の気温よりも暑く感じてしまうのはいたしかたないのだが・・・。作家芥川龍之介は、昭和2年7月24日の未明に服毒自殺をとげた。この年の東京の夏は例年よりもずっと暑く、連日30度を越えていた。自殺した日の前日である7月23日はとくに暑く、気温は35・6度、不快指数は89にはねあがり夜になっても気温は下がらず、東京市民は熱帯夜の寝苦しさにまんじりともできなかった。その明け方近くに、龍之介は命を絶った。ただ、暑さのために発作的に事を起こしたのではなく薬物を前もって手に入れたり、自殺をほのめかすなどという前兆はあったので不快指数の高さは自殺の直接の原因ではないが、その日に決行するという引き金になった?と言われている。今日は十勝は真夏日の予報、湿度や不快指数が低いことを願いつつ、楽しく勉強しようと張り切っている。
2014/08/12 01:58
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心情変化
小説を解くときにはまず「主人公や登場人物の立場、心情がどう変わるか」を意識して読む必要がある。つまり、必ずと言っていいほど「変化」があり、その「変化」の部分をわざわざピックアップしてテキストやテストに採用しているのである。例えば、前半の「涙」が悲しみ、くやしさの涙だったとしても後半の「涙」は感激や喜びの気持ちという場合が多いのである。ついつい、最初の場面を引きずったまま、後半に…となった場合に「涙」の意味を取り違えることになる。論説とは違い小説の場合は「変化する」ということを前もって意識して臨むことが大切。慣れてくると、今回はどんな変化の話かな?と楽しみにすらなってくる?!←ここまでくればもう小説読解のプロの域か。
2014/08/11 12:02
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書き言葉
「書き言葉」と「話し言葉」は区別するべきである。最近、中学生の意見文や人権作文の指導が立て込んでおり、やる気のある生徒に関してはすでに推敲に入っている。どの生徒も本当によく努力しており、しっかりとした文章が出来ており嬉しいのだが・・・。一つだけ残念なのが、文中で使われる言葉を「話し言葉」で書いてしまっていることだ。文末をそろえるといったことはきちんと出来ているのだが、文中となるとうっかり・・・。たとえば「~しちゃった」→正しくは「~してしまった」、文頭に「なので」→正しくは「だから」といった具合である。親しい間柄の手紙、日記であれば問題ないのだが、学校に提出するもののように不特定多数の目に触れるものは基本的に「話し言葉」よりも丁寧な標準語にすることが大事。
2014/08/10 14:04
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書き言葉と話し言葉。その中間に「メール言葉」のような感覚があって、最近ややこしく思います。メールの中でも、携帯メール(友人)とパソコンメール(ビジネス)があって無意識に使い分けているうちに訳がわからなくなります。スマホになってからますます境界があいまいになり、その延長でここのコメントやメールの文章考えてます。
さらにfacebookなどのコメントの感覚が入ると…。
なので、私は「なので」はわりと使ってしまいがちです。2014/8/11 08:38 返信
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コメントありがとうございます。本当におっしゃる通りで・・・。自分自身も紙に書くときは正式に書くけれど、メールだと「中間」の言葉を選んでみたり。上記の「なので、~『なので』」受けました(笑)
2014/8/11 11:56 返信
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言葉遊び
金曜日の小学生クラスでは「言葉遊び」をして文章力を養う練習をした。本人の名前をまず書いてもらい、それぞれの文字に続くように文、言葉を考えるのだがこれが意外と難しい。たとえば「かぐやひめ」に対しては「か・・・かわいく ぐ・・・ぐりぐりの や・・・やさしい ひ・・・ひかりかがやく め…目をした馬」といった具合に。ところが、さすが頭の柔軟な子供たち。二つ目からはあっという間に作り、それぞれ「詩的」だったり「有名人の名前を順番に上げる」といった工夫も。大人も楽しめるのでぜひボケ防止、頭の体操にお勧め。ちなみに、言葉遊びとして次のような当て字のものが長年印象に残っている。誰もが知っている「あめふり」という童謡の歌詞の後半「ピチ ピチ チャプチャプ ランランラン」を「ピンチ ピンチ チャンス チャンス ランランラン」と言い換えた人がいる。うーん、なかなか真理をついている?と、ピンチに陥るたびに頭の中では「ピンチピンチ♪~」とフレーズが流れている。
2014/08/09 16:48
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