小さな国語塾のつぶやき
九十九
「九十九」と書いて何と読むかお分かりだろうか?答えは「つくも」なのだが、どう考えても漢字と読みがつながらない。例えば「ドイツ」を「独逸」、「フランス」を「仏蘭西」・・・といった当て字ならば納得いくが、そうでもなさそうだし。実は、「伊勢物語」63段にある短歌が「九十九という数字」と、「植物名である『つくも』」を結びつけているのが「鍵」であるらしい。「百年(ももとせ)に一年(ひととせ)たらぬつくも髪 我を恋ふらし面影に見ゆ」つまり、これは洒落になっているのである。「白い髪」を「つくも(植物の一種、水辺でワサワサと生い茂る多年草)」の様子に例え、さらに「白」を「百」から「一」ひいた文字としている訳である。由来を知るとなるほどとは思うものの、そもそも「つくも」自体を見たことがないのでいまいち実感がわかない。何事も見て触って体験して・・・が一番なのだが、取りあえず漢字の特殊な読みは一つ一つ地道に覚えるのが一番の近道か?
2015/03/28 10:17
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