小さな国語塾のつぶやき
大まかな傾向を知ることが大切!
北海道の入試・学力テストでは「御伽草子」「沙石集」「伊曾保物語」「徒然草」などから多く出題されている。とはいえ、やみくもに出題傾向が強い作品や問題集を数多く解けばいいかと言うとそうでもない。むろん数うち当たることは大切だけれど「傾向」「大まかな思想」を知ることが最も重要。詳細を書くと①古文は教訓物が多い②(具体的には)・謙虚な姿勢・知恵、機転・恩返し・正しい生き方・親孝行など③エピソード+まとめ、あるいは結論+エピソードという型が多い、以上3点を意識しておくとミスを大幅に減らせ、選択肢で迷うことが少なくなる。また、問題を解いたときに②のどれに当てはまる内容かを吟味する訓練も有効だろう。実際の例として「御伽草子」の中に収められている「孟宗竹」の話【あらすじ:孟宗(もうそう)は、幼い時に父を亡くし年老いた母を養っていた。病気になった母はあれやこれやと食べ物を欲しがり、ある冬に筍が食べたいと言った。孟宗は竹林に行ったが冬に筍があるはずもなく、孟宗は涙ながらに天に祈りながら雪を掘っていた。すると、あっと言う間に雪が融け土の中から筍が沢山出て来た。孟宗は大変喜び、筍を採って帰り熱い汁物を作って母に与えるとたちまち病も癒えて天寿を全うした。これも深い孝行の思いが天に通じたのであろう。】これは「親孝行」がテーマで、正しい選択肢は「自分の親を出来る限り大切にすべきであるということ。」だ。内容はもちろんのこと、最終行に「孝行の深き心を・・・」とダイレクトに「孝行」と言う言葉あるので迷わないだろう!と言いたいのだが・・・。まだまだ古文作品に触れる数が少ない中学生にとっては他の選択肢と混乱してしまう。紛らわしい他の選択肢は「親の言うことにはできる限り従わなければならないということ。」「重い病気を治すためには出来る限りの栄養を摂るべきであるということ。」。前者は言い過ぎ、親に服従しろ!と本文(古文)は主張していない、後者は「栄養を摂る」がおかしい。あくまでも、母親が「タケノコを食べたい」と言い、それをかなえようとしたという内容だから。ここまで細かくチェックする時間的、精神的余裕がないのは当然のこと、だからこそ「内容傾向」を知っておく必要アリ。
2018/04/02 15:12
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