小さな国語塾のつぶやき
「卒業」「何卒(なにとぞ)」
十勝地方では昨日は、中学校の卒業式、今日は県立高校の合格発表の日だ。去年は受験生全員が推薦入試で卒業前に進路が決まっていたのだけれど、今年は一般受験生が大半。何人か連絡をもらったところ・・・残念な結果の生徒も。毎年のことだけれど、この時期は本当にドキドキし中学3年生や高校3年生に対して「卒業おめでとう」という気持ちと「何卒(なにとぞ)いい結果を」という二つの気持ちでいっぱいだ。残念な結果を聞いた時にはなんと声をかけるかを毎回考え込んでしまう。幸いなのが?!大学の前期試験がダメでした・・・という報告をもらった時に自分も同じ経験をしているので心から「(周りは進路決まってるのに自分だけ決まってなくてどうしようという不安な気持ち)分るわ~」と心底言えることぐらいか。若い子は純粋だからこそ、大人の言動を意外とよく観察しキャッチするもの。こちらが表面だけで言っているのか、本心で言っているのかを一瞬にして見破られるので先のような場合は短い言葉しかかけてなくても生徒の顔がパッと一瞬明るくなるのが救い。職業柄ほぼ同時期に毎年「卒業おめでとう」と「何卒(なにとぞ)いい結果、合格を」と願うわけだが「何卒(なにとぞ)」には「卒業」と言った意味があるのか?と思って調べてみたところ、実は「卒(とぞ)」は単なる当て字にすぎないらしい。なーんだと肩透かしを食らったような気分だけれど、それにしてもさすがは日本人!素晴らしい「当て字」を見つけるなあとも思う。少なくとも自分自身に関して言うと今の仕事をする前から常に「卒業」と「何卒(なにとぞ)」がセットだった。ん十年前の中学校・高校の卒業式では「公立試験を控えている(当時は卒業式の翌日に入試だった。)」「大学の発表待ち」ゆえに「何卒(なにとぞ)受かりますように」という気持ちでいっぱい、大学の卒業式こそは無事に?!と思いきや…当時は超氷河期で残念ながら先が決まっていない状態での「卒業」だった。幸いにして卒業後の、しかも3月31日に第一希望からの就職先から打診をいただき(急遽空きができたとのこと)で奇跡の大逆転を果たしたけれど。気休めかもしれないけれど、若いうちの失敗は後か取り戻せる、しかも腐らずに地道に努力すれば不思議と道が開ける(さすがに「採用ゼロ」のはずだったところから突然に打診してもらえるほどの奇跡は稀だろうけれど)と思っている。
2018/03/16 15:28
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