小さな国語塾のつぶやき
「若い時の苦労は買ってでもしろ」
「若い時の苦労は買ってでもせよ」(意味)「若い時にする苦労は必ず貴重な経験となって将来役立つものだから、求めてでもするほうがよいということ」という慣用句は誰しもが、何十回、何百回と目にしたり耳にしたことがあるだろう。正直言って若い頃はこの慣用句が苦手だった・・・というよりも、はっきり言って嫌いだった。「なぜわざわざ苦労しなくてはならないわけ?絶対に嫌だ。将来苦労しないように今頑張る!将来は○○して△△になって・・・そのためには今はこうしてああして。。。」と必死だった。皮肉なことに今振り返ってみると若い頃のあの「頑張り」こそがいわゆる「苦労」だったんだなあと笑える。当時は「苦労したくないから・・・」と必死でもがいていたのだけれど、実はそれ自体が「苦労」だったというわけ。若かりし頃の無知って恐ろしいやら自ら振り返ってみると「若いっていいなああ」とほほえましい。年度末と言うこともあって最近様々な方々から質問や相談を受けることが多く、先日「このまま行動を起こさなければとりあえずはパラダイス・・・ただし数年後の可能性は狭まり将来の未来像がほぼ決まる。でも、今行動を起こせば苦労が待っている、でもそれを乗り越えた時には可能性が広がる・・・、さあどっちをとる?」と某方から聞かれた。迷わず「目の前の苦労をとります。若いうちの苦労はいくらでもやり直しがききます。とりあえず目先は楽でも、将来・・・・10年後、20年後、30年後に大変な出来事があったときのダメージの方が怖い。むろん何の苦労もなくその時に置かれた状況に満足して、ぜいたくを望まず、自分や自分の身近な状況以外を知らずにそれなりに楽しかった~と人生を終えるかもしれないしそれはそれでOK。それでも一度も苦労しない人生はまず考えられないです。となった場合にやり直しがきく、パワーもある若いうちに目の前の苦労をとります!!」と気づく熱弁していた。思わず後からびっくりした。あんなにも若い頃は「若い時の苦労は買ってでもせよ」が嫌いだったのに・・・と。長く生きたおかげでようやくようやく慣用句の本質がストンと腑に落ちた瞬間だった。ああ、やはり侮ることなかれ昔からの諺や慣用句。
2018/03/10 14:53
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