小さな国語塾のつぶやき
雛人形
今日は月に一度のラジオ出演、お題は「お雛様」!一応国語ネタを・・・と思い色々と調べてみると「ひな」という字に「雛人形」と「鄙(ひなびた)」を掛けている句を見つけた。江戸時代の俳人、与謝蕪村の「雛祭る 都はづれや 桃の月」という句で意味は「ああ、こんな都から遠い田舎にもお雛様が飾ってあるんだなあ」だ。田舎の寂し気な場所にでもお雛様が飾ってあるとほっこりした気分になるもので、こういう感じ方は現代人も昔の人も同じだなあとつくづく感じる。同じく江戸時代に活躍した松尾芭蕉も「雛(ひな人形)」を季語として次のような有名な句を残している。「草の戸も 住み替わる代ぞ ひなの家」「戸口が草で覆われたこのみすぼらしい深川の宿も、私に代わって新しい住人が住み、綺麗な雛人形が飾られるようなはなやかな家になるのだろう」という意味だ。さて、ラジオパーソナリティーのM様は折り紙サークルの方々からいただいた折り紙の雛人形を玄関に飾ってらっしゃるそうで、思わずおしゃれで合理的、しかも「雛人形」そのものの歴史を再現している~となんだか嬉しくなる。雛人形はもともと、「上巳の節句」の際に、草や藁で作った人形(ひとがた)で体を撫で、穢れを移したものを川に流すことで厄払いとされていた行事と、貴族階級の女児が行っていた紙の人形のおままごと遊びである「ひいな遊び」が合わさって生まれたものだと言われているからだ。いつも素敵に輝いているM様、きっと雛祭りが終わったらM様に近寄ろうとする厄や穢れを折り紙の人形が背負ってくれることだろう。ちなみにラジオでも申し上げたけれど自分自身については幼い頃は立派な7段飾りの雛人形を毎年飾っていたけれど、いつの頃からか飾らなくなり・・・両親が「人形供養」としてお寺にだいぶん前に持って行ったらしい。ただ、こうして由来や意味を知ると別に大きくなくても、本格的でなくてもいいので日本古来の伝統文化として今後も雛人形を飾ることは素敵だなあと思う。ちなみにお教室のドアのそばに刺繍作家である友人が作ってくれたウサギのお雛様とお内裏様の壁掛けを飾っているけれど誰も気づかいない様子。男子学生が多いから、反応が少ない?!きっとお雛様に意識を向けるよりもいち早くお教室に入って「勉強」という意識が強いんだろう・・・・ということにしておこう(苦笑)。
2018/02/28 17:54
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