小さな国語塾のつぶやき
やっかいな「な」
先週、今週と中学1,2年生は期末テストの時期。中学2年生はどの学校でも動詞、形容詞、形容動詞が試験範囲となっており当然のごとく?生徒たちは皆頭を抱えている。彼らには次のことを伝えつつ、とにかく演習を繰り返している。伝えたことは以下の2点①動詞の活用形を見分けるには「下」を見て判断(詳細はイラスト付き語呂合わせプリントを作成し配布済み)②特別な動詞(カ変、サ変)、形容詞、形容動詞の活用形は丸暗記。みな、必死であの手この手で活用形に関しては、穴抜きの活用表を利用して記憶を定着させている・・・、それでも演習を始めるとつい「知識」が邪魔をしてしまいうっかり?ミスをしてしまう。先日の演習がまさにそう。学校のワークに例題が複数提示されており、それらを形容詞か形容動詞かを見分ける問題があった。その中で「細かな説明をする。」に関して、生徒は「形容動詞の言い切りは『です、だ』だから違う。『細かだ、細かです』はおかしい、言い切りは『細かい』となるから形容詞だ!」と自信をもって書いたところ×。そこで「形容詞の活用形に『な』は入っていない、逆に形容動詞のほうには『な』が入ってるから答えは形容動詞」だと伝えたところ、とりあえずは納得していた。それでも「細かだ(こまかだ)なんていう表現はおかしい、細かですなんて言わない~。」とブツクサブツクサ。耳慣れない表現や昔ながらの表現はなじみがないから違和感があるのは当然で、気持ちは分かる。だからこそ自己判断で選ぶのではなくきちんとした活用形に当てはめることが大切なのだ。気を取り直して「ウ音便」について学習したところ、こちらはテンションアップで事なきを得た。ちなみに個人的には「ウ音便」は素敵だなあと感じている。以前に「料理の鉄人」というテレビ番組に審査員としてレギュラー出演していた料理ジャーナリストの岸朝子氏。試食後には必ず「おいしゅうございました」と「ウ音便」での表現をお使いになる。当時、自分自身がまだ幼かったため詳しくは分からなかったけれど、一般的な表現としての「おいしかったです」「おいしいです」よりも「おいしゅうございました」の方が耳触りがよく、丁寧でなおかつ心がこもっていると感じたものだ。とはいえ、この言葉をチャラチャラした若いお姉ちゃんが使ったら…逆に違和感があり、怖い!とも感じていた。言葉として完全に定着しているウ音便の表現、例えば「おはようございます」「ありがとうございます」以外のウ音便の表現は使い方、使うタイプを選ぶよなあと思っていた矢先にブロ友である大和橘様のコメントに「嬉しゅうございます」とあり、うーん流石だなあとうなってしまった。大和橘様は本当に素敵な女性で言葉遣いのみならず考え方や感性が素晴らしくあこがれの女性である。いやはや使い方、使う場所などなど難しい日本語、奥が深いからこそ面白い。
2018/02/21 09:46
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