小さな国語塾のつぶやき
AI読み
「AI読み」という言葉を案山子先生のブログで初めて知った。確かに「穴埋め」問題のプリント学習だと「答えを探す」作業で終わってしまい本文を全く読まない・・・。かといって抜き出し、穴埋めがない長文の学習をいきなりさせようとすると国語に興味がない生徒はその瞬間に脳死する・・・。まずは「文章を読む」という習慣をどうやってつけることができるか?むろんそれは個々人によっても違うので悩ましいところで、毎日のように生徒Aには○○してみよう、生徒Bには◇◇の方法をとってみようなどと試行錯誤している。さて、この「AI読み」の弊害としてパッ問をみただけで今までの経験上から「きっとこういう問だろう」と自己判断してしまい、国語のみならずどの科目でも悪影響が出ること。例えば次のような生徒がいた。社会の試験で「鎌倉幕府を開いた源頼朝の役職は?」という問があったそうで答えは「征夷大将軍」、別の機会に「鎌倉幕府における・・・荘園の管理や年貢の取り立てをする役職は?」という問が出た際に「鎌倉幕府」「役職」という単語に反応してしまい文章をろくに読まずに「征夷大将軍」と書いてしまったとか・・・。きちんと文章を読む、厳密にいうと問の述語に対する主語は何か?を意識すれば自ずから正しい答えである「地頭」と書けるはずなのだが。昨日の中学生の授業では、動詞の「活用形」「活用」で生徒たちは混乱していた。「活用形」「活用」と聞かれたら何を答えるかについては毎年のように生徒たちは混乱するので昨日の状況は想定内であった。彼らに「何歳?」と聞かれたら「中学〇年生とは言わないよね?14歳です、15歳ですと答えるはず。それと同じで活用形と言われると○○形、活用を聞かれると◇◇活用と答えればいいんだよ。」と伝えると納得していた。語尾が似ているから一瞬ギョッとするけれどじっくりと落ち着いて考えれば決して難しくはない。とはいえ、日常的に使わない内容を聞かれると一瞬混乱するというのも分かる。まずは文章や問の主語と述語をしっかりと意識する、必要に応じてアンダーラインをつけ、図式化するといった地道な努力が必要だろう。案山子先生もおっしゃっているように「読解力は費用対効果が現れにくい」もの。でも一度読解力を身に付けると勉強のみならず日常生活においても何かと有利、一言でいうと世界が広がることが間違いなしで一生のスキルになるのでとにもかくも地道に努力。
2018/02/14 18:29
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