めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
万事(を)休す
「万事休す」という言い回しがある。【意味】対策の講じようがなく、もはや手の施しようがないこと。すべてが終わったと諦めること。出典は『宋史』の『荊南高氏世家』にある故事。荊南を継いだ王子の保勛は甘やかされて育った。人が怒ってにらんでもにこっと笑う保勛に、荊南の人々が「万事休すだ」と言ったことから。(王が保勛を溺愛し、それを見た人々が「万事休すだ」と嘆いたという説もある)。実は似たような表現で「万事を休す」という表現があることを、つい最近になって知った。こちらは【意味】すべてからいったん離れ、休む。曹洞宗の開祖、道元が著した『正法眼蔵』に出てくる言葉だという。「を」という助詞が入っているかどうかで全く違う意味になるのが日本語の面白いところ。「万事休す」になった場合は取りあえず、いったん休憩「万事を休す」という順番にすると意外と解決策が見えてくることがある?!毎日生きていると、様々なことがあり、すぐには解決できないこともあるだろうが、そう言う場合は諦めるのではなく取りあえず横に置いておいて、休んでから再び出直すのがよい?!ちなみに小事としては、ブログネタに行き詰った(万事休す)になると取りあえず時間を置いている(万事を休す)。おかげでなんだかんだと言いながら毎日続けることが出来ている。何事も焦るべからず。
2016/05/13 14:07
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