小さな国語塾のつぶやき
卒
3月と言えば卒業の時期、昨日は十勝管内では卒業式が行われた中学校が多く、小学生に関しては「卒業式でのコメント提出が明日までなんです~」というSOSが相次いだ。さて、卒業とは「業(学び)を終える」という意味なのだが、なぜ「卒」が終えるなのか?「卒」という字を分解してみる。「卒」の上部の「亠」と「从」は、「衣」を表している。「卒」の下部の「十」は、音符の「|」と「ノ」から成り、「しるし」の意味を表している。上部の「衣」と下部の「しるし」を合わせて、「衣服につけたしるし」という指事文字で、人が死んで「衣」の襟(えり)を重ね合わせ、結び留めることを表している文字。そうやって死者の霊が外に出ないようにしている、または悪いものが死体に入り込(こ)まないようにしているという。それが転じて、「おわる」を意味する「卒」という漢字が成り立ったという。また、このしるしのある衣服は、しもべ・兵士にも用いられたので、「しもべ・兵士」の意味も表す。語源を知ると少し怖いような感じがするが、考え見れば「何かが終わるということは、新しい始まり」と言えるわけであって・・・。学業に限らず、何かを卒業して新しくスタートを切るということはどんどんやっていきたいもの。
2016/03/16 10:06
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