小さな国語塾のつぶやき
自分で自分をだます
先週の中学生クラスで、半分以上の生徒がひっかかってしまった接続語を入れる問を1つ紹介しよう。(本文)「栄養バランスが著しく偏った子が多かったことから、政府はアメリカが提供した脱脂粉乳を学校での昼食時に給食として出した。( )、その後日本の食糧事情が改善され、アメリカの食料提供もなくなったので・・・」※下線部は本文には入っていないが、分かりやすくするためにブログでは入れた。( )には逆説の「しかし」が入るのだが、なぜか皆「すると」を選んでしまった。下線部を見ると分かるように前半は①栄養が偏っている②アメリカが提供後半は①食料事情改善②アメリカの食料提供がなくなったので落ち着いてみると逆の内容だと分かる。皆に上記のように線を引かせてみると皆答えることが出来るのだが・・・・。なぜ「すると」を選んだのかを聞いてみると、ある生徒が「この文の流れだと『すると』しか有り得ません!」とのこと。つまり、今までに読んだことのある文章から、いわゆるフィーリングで選んでしまったようだ。毎回、接続語を入れる問題は前後の主語と述語をチェックするようにと言っているのだが、どうしても長年の経験?からのフィーリングに頼ってしまいがち。ではどうすればいいか?人には「自分で自分をだます仕組み」である「認知バイアス」が備わっていることを理解し、自覚することと少しは役立つのではないだろうか?「認知バイアス」については詳細は割愛するので、各自で調べてみてほしい。
2016/03/13 12:19
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